東京湾の外湾へ(1)

 ふたたび、三月の巻(おまけ)「外湾へ」は久々の小旅行記になります。東京湾の外側へ行って戻ってくるだけ、ではありますが、列車のダイヤ等、実際の設定をいろいろ組み込んでいるため、解説の方も込み入ってきます。文中に出てくる設定等を3回に分けてご紹介します。



 千葉で乗り換えるか否か

 千葉方面に向かう総武線快速列車は、千…千葉 上…上総一ノ宮 空…成田空港 君…君津 佐…佐倉 成…成田 鹿…鹿島神宮 東…成東 といった具合に行先が多様です。千葉から先、佐倉で分かれたり(成田 or 成東)、蘇我で分かれたり(外房 or 内房)というのもあるので、うっかり乗り過ごすと大変(駅間は空き、本数も減りetc.)なことになります。

 多少不便でも千葉で乗り換える、と覚悟を決めれば、乗り違えることはないと思いますが、快速列車は千葉以遠をめざすものが多いので、そうも言ってられません。やはり事前にしっかり調べて、目的地近くまで直通する列車を選ぶに越したことはないでしょう。

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...仕事柄、今回テーマの一つ、工場への同行を希望していた業平のこと、現われないことはあるまい。席はただその人物が来るのを待ち侘びている。
 荒川を越え、江戸川を過ぎ、なおも席は空いたまま。天気が冴えないせいか、口数が少ない初音だったが、おもむろにケータイを取り出すと、
 「メール送ってみましょうか?」
 「そっか、その手があった」
 使い込んでいる訳ではないが、扱えないこともない。ただ余計なやりとりを増やしたくないだけ。そう、業平は誰かさんに譲ったことになっているからだ。櫻も千歳も白々としているが、文花は知らん顔。初音が器用に操作するのを感心しながら見ている。
 八人目の人物は、船橋を発車したところでようやく姿を見せた。
(業平)「いやぁ、一本前の千葉行きに乗っちゃったもんだから。失礼しやした。」
(六月)「君津行きって言ったのに」
(業平)「フライングだったら、まだいいっしょ?」
(六月)「お姉ちゃんに報告しとく」
(業平)「う...」




 ペットボトルのフタ再生

 作者は行ったことはないですが、木更津の再生工場と言えばここしかありません。ホームページを見てわかったつもりになって、ちょっとだけ紹介してみました。(→より詳しい情報

 「エコプロダクツ2008」に出展しても良さそうな気はするのですが、出展者一覧を見る限り、同社の名称は見かけません。社名に東京と付いても、やはり木更津だと遠くて出にくい、ということなんでしょうかね。

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 文花はすでに業平にスーツケースを託し、悠々としている。メンバーは決まった。その四人が向かうのは言わずもがな、前々から話していたペットボトルのフタ(またはキャップ)再生工場である。干潟で集めた分だけなら、ここまで大げさにはならなかったかも知れない。級友らからの協力もあって、この通りスーツケース二つ分にまで増えてしまった、という次第。



 久留里線

 車両にお目にかかることはあっても、なかなか乗る機会がないのがこの久留里線。18きっぷを使って、といった特定の条件が必要な分、実現しにくくなっているようです。小説文中では、18きっぷのちょっとした有効活用法として同線を引用させてもらいました。

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(千歳)「とりあえず、13時38分発(安房鴨川行き)に乗れるように、なんだけど、お昼の時間もとらなきゃいけないし」
(櫻)「駅弁もあるわよ、千歳さん」
(千歳)「そっか、そりゃいいね、でも何処に行くかにもよる...シスターズ、どう?」
(初音)「何か、あれって? クルリって読むんスか?」
(櫻)「ハハ、クルクルくりくり...」
(千歳)「久留里線かぁ。時刻表で調べてみよっか。」
 潮時を読むのが得意なだけに、時刻表も楽勝のようである。ここから先は南実が行程担当。
(南実)「行くだけ行って戻ってくるってんでよければ。そのくるりクルクルまでは行けないけど、手前の駅までね。何があるかはお楽しみ。」

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