2007年5月から2008年1月にかけての月例調査まとめ

 小説上では「仮想干潟」としていますが、リアリティを伴わせるためには、実地調査が欠かせません。これまで小説の進行に合わせて、その月例調査で出てくる漂着ゴミ(実物等)を紹介してきましたが、いかがでしょう? まぁ見ての通りでございます。

*参考→これまでの「漂着ゴミ」(漂着物)の記事一覧

 記事や小説文中の通り、実際に品目ごとの件数(実数またはそれに近い数字)を調べてきた訳ですが、必然的に集計表というものも実在することになります。(一応、各月の巻で出てくる数字をきちんと追いかけると、合計数も一致するようになっています。)

 「一月の巻 おまけ」~アプローチ、ソリューション の中では、その9回分の結果を発表するシーン(下記)が晴れて出てまいります。今回で101件目の記事ということもありますので、記念にその集計表を"real version"でご紹介することにしました。

 これが荒川下流某所での現実なのです。(お手数ですが、PDFファイルにてご参照ください。)



...プロジェクタ操作は千歳に任せ、早速これまでの経緯と集計結果の話に移る。

 「十月の一斉クリーンアップの時は、クイズ形式で発表したりしましたが、今回はそのままズバリご紹介します。五月から先だっての一月の回まで九回分、あくまで定点調査としての集計です。次点、生活雑貨で91、一例はここに映っている通りです。ワースト十位:配管被覆98、九位:紙パックが100ちょうど...」 配付資料の方には、集計表の抜粋を入れ込んであるが、プロジェクタで映し出す分は、品目ごとに一枚一枚という設定。カウントダウン式にスライドショーが展開され、収集数と写真が大きく投影されていくという仕掛けである。八位:飲料缶/127、七位:袋類/143、六位:タバコの吸殻/146、ここまで順当な感じか。

 「さて、ここからは数が増えてまいります。二百台はなく一気に三百台に突入です。五位は、発泡スチロール破片、といってもある程度の大きさのものを数えました。329です。粉々になってしまったものも勿論あります。メンバーの中には粉雪だぁとか言って、はしゃぐのもいますが、とんでもございません。そのままにはしておけないので、できるだけ回収するようにはしています。さすがに数えてはいませんけど。」 櫻のペースになってきて、会場の反応も上向いてきた。四位:フタ・キャップ/368、三位:飲料用プラボトル(ペットボトル)/438、と数が増すのに応じて、今度はどよめきが起こる。待ってましたとばかりに、発表者は畳み掛ける。

 「ワーストの二位と一位は、正直申し上げて区別がしにくいところなんですが、形状がハッキリしているものは包装・容器とし、それ以外は破片として数えました。お菓子の個別包装、小さい袋については途中から分けましたが、それも足すと全部で1200くらいになります。ちなみに二位は破片の方で534、堂々の一位は包装・容器で569。小型袋は78です。あと、カップめんの容器、食品トレイも別カウントでしたね。とにかくこの手のプラスチック、発泡スチレン関係なんです、特に多いのは。漂流・漂着しやすい、だから拾いやすい、という点ではまだいいと言えますが、それにしても、でしょ?」

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