仮想縁起切符

 硬券切符が発売されるのは、よほどの記念か節目でもない限り、今はまずないでしょうね。硬券でなくてもいい、一つの駅名のみを印字したものであれば、ということなら券売機で入場券を買えば済みます。が、特定の区間を示したものとなると、JRでは当たり前でも私鉄の場合はマチマチ。小説文中では京成と東急を引用してみましたが、どうやら区間を印字するタイプでなく、地下鉄のそれと同様、料金均一(→例:京成電鉄になっているようなので、「押上<->八広」のような縁起担ぎ切符は、残念ながら入手できない?と思われます。(他にはこんな例も...「受験生応援駅名(作者まとめ)

 ちなみに以前紹介した記事(荒川駅)の通り、八広はかつて荒川と称していました。改称前のものなので、縁起も何もないですが、1991年3月31日付、その荒川駅からの110円切符(裏面は白!)を参考までに掲載します。(→さらにスゴイ参考情報 蛇足ながら、この日は北総開発鉄道が千葉ニュータウン中央まで延びた日でもあります。

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一月の巻」~CとSのR より

(六月)「勝田とか勝田台は遠いし、御徒(カチ)町ってのも何だし。『信じ行く』で新宿ってのも考えたけど、ちょっとね。そんで思いついたのがこれ。大姉御の合格祈願。」
 それは、京成押上線、押上八広と印字された切符だった。これを見て駅名の当人が黙っていよう筈はない。
(八広)「おぉ、そう来たか。でも押上ってのはまた...」
(六月)「押して上げて、末広がりー。いいっしょ。」
(小梅)「六月クン、ありがと。でも小梅の分は?」
 ちゃんともう一枚持っているから心憎い。
(櫻)「いいなぁそういうの。でも、合格祈願の定番は、やっぱ櫻さんに因んだ駅名じゃない? ホラ、京成佐倉とか。」
(六月)「ヘヘ、その佐倉って、勝田台より遠いじゃないですか。だから...」
(蒼葉)「青葉もいいと思うんだけどなぁ。そうだ、六月君。桜新町とさ青葉台を結ぶ切符ってのもあるよね。それって何か良くない?」
(六月)「ウーン、桜と青葉の間って、あんまし」
(蒼葉)「あ、そうか...」
 日は照ってるし、無風なのだが、どこかでピューとなるのを感じる一同だった。受験生本人が今ここに居ないからいいようなものの、禁句は禁句。

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  • 千歳と桜を結ぶ線(最終回)

    Excerpt: これまでも、大金宝積寺、押上八広、桜新町青葉台など、縁起担ぎや登場人物絡みの駅名・区間を紹介してきましたが、最終話ともなれば主役二人にちなんだ駅を出さない訳には行きません。 Weblog: 漂着モノログ(real version) racked: 2008-12-04 18:58