越年投棄品

 年が改まってからわざわざ棄てに来ることはさすがにないでしょうから、おそらくは旧年中に投棄したものと思われます。どっちにしてもバチ当たりな話ですね。

 左方から、プラカゴ(洗濯物入れ?)、サッカーボール、そのボールの近所に問題のバッテリーが2つ、流木はいいとしてその下にスノコ状のパレット、あと目立つのは右端のヘルメット、といったところでしょうか。投棄にしろ漂着にしろ、こうした品々がこういう状態で年を越したであろうことは確かであり、どこか物哀しげに見えてしまうのもまた事実です。(何らかの事件性が感じられなくもないですが、あまり踏み込むと小説のジャンルが変わってきてしまうので、控えめにしています。)

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一月の巻」~クリーンアップ初め より

...まずは大物、というのも習慣化しているせいか、男衆二人は古木の根っこを手始めに、木枠やら角材など木関係を担ぎ出す。業平が加わった後は、より重たい部類、大型シート、ウォーターサーバ、そして、
(千歳)「ハハァ、久々登場だねぇ。バッテリー。しかも三つ、いやあっちにもあるから四つか。」
(八広)「こいつぁ明らかに不法投棄スね。漂流したらご喝采。」
(業平)「これ使えればな。そしたら油化装置とか発電機とかも要らないだろうに...」
 まだ修復前なので、えぐれた崖地が隠れ蓑のようになっていて、ここぞとばかりに置き去られているのである。男性三氏は、処遇に窮しつつも、どこか楽しげに談議している。

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