「地域を元気にするハコモノ」

 全国には良くも悪くも様々なハコモノがありますが、(1)入りやすいか、(2)スタッフはいきいきしているか、(3)情報や設備の鮮度は保たれているか、といった観点で眺めることで、そのハコの健全度がわかるのではないかと常々思っています。(付け足すなら、事業と事務の両方が得意なチーフがいるか、それぞれのチーフがバランスよく二本立てになっているか、もカギ)

 その器(ハード面)がいくら立派でも、これらの要素が伴っていないと持ち腐れになってしまう可能性は大。逆に、お世辞にも立派とは言えない施設でも、いつも賑わっていて、「元気」なところも多々あります。そうした場所には視察も来ますが、本質的なところをしっかり見極めてもらわないことには意味がないでしょう。

 視察しないとわからないの?という見方もあります。元気なところはおそらく視察も何もなく、ただ「こうすればお客さんに喜んでもらえる」というのを当たり前に実践しているだけ、と考えることもできます。

(→参考:「地域を育てる拠点、拠点を育てる地域 *これもある意味、視察ではありますが、その視点が一味違います。

 小説文中では、あまり踏み込んだ話にはしていませんが、「NPO小説」的にハコモノ論は外せないので、時々出すようにしています。(写真は、荒川流域のハコモノの一つ「荒川知水資料館」。館長の良し悪しに左右される傾向はありますが、頑張っている方だと思います。)

画像


十一月の巻 おまけ」~スマイル より

(八広)「それにしても、今日の六人はどなたもいいプレゼンだったスね。ハコモノ一つの解釈でも六者六様。強いて言えば、地域のあらゆる資源を連動させてハコにしてしまおうってのと、今ここにあるハコ、つまりセンターを拠点に展開して面にしようってのと、大まかに二つの方向性に分けられる、ってとこスかねぇ。」
(文花)「いい読みねぇ。それって、森から木、木から森、の話に通じそう。」
(清)「ま、女性一、男性二が新理事、同じ割合で運営委員が三人。六人全員、何らかの形で関わってくれることになった訳だから、その森と木のバランスもとれるってもんだ。なかなかの人選だったぁな。」
 代表候補の清先生は、言葉にはしなかったものの、顔は「ヨシヨシ」とでも言いたげな表情になっている。三十代から五十代まで、流域在住、年数の長短は問わないが何らかのNGO/NPO経験を有する、そんな限られた条件ながら、文花のマメな連絡網(正しくネットワーク?)が機能したらしく、公募には十二名が応じた。書類選考でさらに絞り込んだ六名は、女性二人に男性四人。本日十三時半から行われた法人役員候補の二次選考会は、その方々が主役となった。一人十五分の持ち時間で、課題論文テーマ「地域を元気にするハコモノ」についてプレゼンしてもらう。五人はプレゼン用のソフトを使い、PC+プロジェクタで。一人は大判カラーコピーをフリップ形式にして臨んだ。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック