港区北青山三丁目の2つの店

 神宮前交差点から表参道駅方向へ進む時は右折ですが、東京メトロ 表参道駅A1出口からは左折になります。渋谷区と港区の区界に当たる、やや狭いその道を歩いていくと、クレヨンハウスはすぐにみつかるものの、小説文中で出てくるもう一軒のお店はその先をさらに行って、曲がって、の位置合いにあるので、曲がり間違えると迷ってしまいます。(その店もギリギリ港区内にあるので、区界に沿って曲がればちゃんと行き着けるんですけどね)

 クレヨンハウスでランチビュッフェオーガニック・バイキングという設定でもよかったのですが、実在店をそのまま使うと、リアルに描写せざるを得なくなるので、そのもう一軒の方を手本にした仮想飲食店を登場させることにしました。この日のメニューは、小説内のものとはおそらく異なるはずですが、10月だったらこんな感じだろう、という想定で書いています。

 作者が青山に勤務していた頃は、ランチで時々利用してましたが、当時(開店当初から数年間)はまだ割り箸だったので、こちらはマイ箸持参でより美味しくいただくようにしてました。常連という程ではなかったものの、店員さんには箸持ち客として憶えてもらえ、配膳時に「お箸、ありますから」と言わずに済むようになったのがまたありがたかったものです。(今年一月に久々に行ってみたら、割り箸から塗り箸に変わってました。環境面でもいいお店だと思います。)

*参考画像:クレヨンハウス(地階の野菜市場(一角))と、北青山三丁目内にあるお店(1/26のメニュー(一例))

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「十月の巻 おまけ」~千秋一日 より

 「初姉のお店に似てるんだけど、主菜、副菜が充実してるって言うか、その場で見て選べるとこがあるの。ご案内します。」
 表参道ヒルズに寄るでもない。アニヴェルセルにも御用はなく、その手前で右折。寄り道と言えば、クレヨンハウスの地階で旬の野菜をチェックするくらい。櫻のこの精神的にスローな感じが千歳には心地良かった。
 ブランチをいただくお店が開くまでのちょっとした時間調整のつもりだったが、
 「ハハ、また迷っちゃった。失礼。」
 目的地に着いたのは、十一時半をとっくに過ぎてから。だが、それほど行列はできていない。この待機時間中に品定めするのが通なんだとか。一人三種類選べるので、二人だと最大六種類の小皿が並ぶことになる。どれが主でどれが副だかが結果的にわからなくなってしまったが、二つのプレートには、五目あんかけ豆腐、ポークとキノコの何とか、ペンネ&マリネ、オニオン&根菜、ジャーマンポテト、磯辺揚げといった品々で満たされる。これにおかわり可能なごはん、スープ、ドリンクが付く。さすがは青山、ランチ店の層が厚い。
 「そっか、千歳さんお箸持ってないんだ」
 「そういう意識はあるんだけど、いざとなるとね。面目ない。」
 「いいのよ。私だって別にマイ箸の方がありがたく食事ができそうな気がするから持ってるだけ。環境保護どうこうって云うつもりないし。」
 会計時にこういう会話が交わされるのは、最近では珍しくもないか。彼女の方は割り箸を辞退しつつ、財布を取り出す。

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