青春十八切符之旅(2)
九月の巻(おまけ)「嗚呼青春、十八切符之旅」の設定解説(続編)です。
八高線から信越本線への乗換
高崎に着いたはいいが、次の番線は?となるのが、八高線のホーム。駅構内図を見ると、八高線の3番線は信越本線の4番線の延長のような位置にあるので、この乗換パターンの場合、便利ではあるのですが、迷っている暇はありません。(実際に走って乗り換えました。)
(→詳細:13:05着~13:07発)
...定刻の十三時五分、高崎に到着。ローカル線の旅は続いているのだが、急にあわただしくなる。
「同じホームの四番線て何スか?」
「とにかく急ぐべし。乗換時間二分です。」
「エッ! ホームの端から端? マジ?」
何とか信越本線に乗り換える。めざすは横川である。
「いっそのこと、高麗川から横川まで直通運転にすればいいのに」
「いや、高崎までは非電化だから」
「あれ? これって電車?」
「せっかく電化されてるんだから、電車走らせないと、ね」
横川の駅名標
かつてはこの橋(碓氷第三橋梁)を電車が走っていた訳です。(廃線にはなっても、橋梁自体は残っているのが救い。)
「特命ですよ、特命。両毛線乗って、さらに烏山線...」
「じゃ、特命ついでに、写真撮ってくださる?」
櫻は六月が提げていた釜めしを預かると、代わりに千歳のデジカメを手渡す。横川の駅名標示を見つけ、千歳を招き寄せて並ぶ。ただの標示板ではない。峠越えの眼鏡橋を背景に「横川」と書かれた幻想的な一枚。さすが、目の付け所が違う。
「じゃ撮りますよ」
少年が構えた時、櫻は突如、眼鏡を外した。
「え? あれが櫻さん?」
手がブレそうになったが、何とか撮影(特命)成功。隣の彼氏が異変に気付いた時にはすでにいつもの櫻に戻っていた。
七福神とサルビア
埼玉県上里町にある神保原駅ホームには、同町の花「サルビア」が飾ってあり、神つながりということで、七福神様が勢ぞろい! これは打ってつけ、と相成りました。
...このまま乗って上京してもいいのだが、六月からまた耳寄りな情報を得たからには、そうはいかない。
十六時四十五分、目的駅に到着。早速、ホームの物色を始める。
「あっ!」 程なく二人が見つけたもの、それは七福神だった。大黒天様から毘沙門天様まできれいに並んでいる。神保原の神は、この福の神に通じるということか。
「それじゃ私は、ご縁がありますよーに、で五円玉。千さんは当然、千円札ね。」
「またぁ。七福神さんだから、七円かな。」
額面とかその根拠はさておき、何事もご縁は大事にしたい。ここで遇ったが何とやら、である。「いい旅でした。感謝感謝...」 櫻がお辞儀をしている後方で、千歳はある赤い花とにらめっこしていた。「上里(かみさと)町の花『サルビア』!?」 夏は過ぎしも、誰かさんの燃える思いはまだ続いているのだろうか。今日の暑さもあってか、さすがに瑞々しさはないものの、その赤はやはり強烈。南実のことが頭をよぎる千歳である。これもご縁のうち、と心したい。
「そうだ、千歳さん、写真撮らせて」
「どしたの急に」
「七福神の皆様と一緒よ。いいでしょ?」
「はいはい。八番目ね。」

高崎に着いたはいいが、次の番線は?となるのが、八高線のホーム。駅構内図を見ると、八高線の3番線は信越本線の4番線の延長のような位置にあるので、この乗換パターンの場合、便利ではあるのですが、迷っている暇はありません。(実際に走って乗り換えました。)
(→詳細:13:05着~13:07発)
...定刻の十三時五分、高崎に到着。ローカル線の旅は続いているのだが、急にあわただしくなる。
「同じホームの四番線て何スか?」
「とにかく急ぐべし。乗換時間二分です。」
「エッ! ホームの端から端? マジ?」
何とか信越本線に乗り換える。めざすは横川である。
「いっそのこと、高麗川から横川まで直通運転にすればいいのに」
「いや、高崎までは非電化だから」
「あれ? これって電車?」
「せっかく電化されてるんだから、電車走らせないと、ね」

かつてはこの橋(碓氷第三橋梁)を電車が走っていた訳です。(廃線にはなっても、橋梁自体は残っているのが救い。)
「特命ですよ、特命。両毛線乗って、さらに烏山線...」
「じゃ、特命ついでに、写真撮ってくださる?」
櫻は六月が提げていた釜めしを預かると、代わりに千歳のデジカメを手渡す。横川の駅名標示を見つけ、千歳を招き寄せて並ぶ。ただの標示板ではない。峠越えの眼鏡橋を背景に「横川」と書かれた幻想的な一枚。さすが、目の付け所が違う。
「じゃ撮りますよ」
少年が構えた時、櫻は突如、眼鏡を外した。
「え? あれが櫻さん?」
手がブレそうになったが、何とか撮影(特命)成功。隣の彼氏が異変に気付いた時にはすでにいつもの櫻に戻っていた。

埼玉県上里町にある神保原駅ホームには、同町の花「サルビア」が飾ってあり、神つながりということで、七福神様が勢ぞろい! これは打ってつけ、と相成りました。
...このまま乗って上京してもいいのだが、六月からまた耳寄りな情報を得たからには、そうはいかない。
十六時四十五分、目的駅に到着。早速、ホームの物色を始める。
「あっ!」 程なく二人が見つけたもの、それは七福神だった。大黒天様から毘沙門天様まできれいに並んでいる。神保原の神は、この福の神に通じるということか。
「それじゃ私は、ご縁がありますよーに、で五円玉。千さんは当然、千円札ね。」
「またぁ。七福神さんだから、七円かな。」
額面とかその根拠はさておき、何事もご縁は大事にしたい。ここで遇ったが何とやら、である。「いい旅でした。感謝感謝...」 櫻がお辞儀をしている後方で、千歳はある赤い花とにらめっこしていた。「上里(かみさと)町の花『サルビア』!?」 夏は過ぎしも、誰かさんの燃える思いはまだ続いているのだろうか。今日の暑さもあってか、さすがに瑞々しさはないものの、その赤はやはり強烈。南実のことが頭をよぎる千歳である。これもご縁のうち、と心したい。
「そうだ、千歳さん、写真撮らせて」
「どしたの急に」
「七福神の皆様と一緒よ。いいでしょ?」
「はいはい。八番目ね。」
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