ハクレン(推定)の遺骸

 この日、50cm級の魚の遺骸に出くわしました。おそらくはハクレン(大陸魚)だと思われます。(合掌)

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「九月の巻」~二人のカウンター より

...京は娘の安全を気にかけ、一緒に干潟に下りる覚悟だったが、思わぬ異臭に足が止まる。「ソウギョっていうか、ハクレンですね。腐乱しちゃって...」 南実は平然としているが、他の女性メンバーはさすがに硬直している。今回は五十糎超の大物。白身が露出していて、ハエがたかっている。「文花さん、ご欠席で良かったぁ」 櫻は一大リスクを回避できたことの方が大きかったようで、ハエもハクレンも眼中になかった。ここへ来て調子が戻って来て、指示を飛ばす。「さて、通路を確保するにはこれ何とかしたいですね。魚馴れしているお二人さん、お願いします!」
 六月の回でソウギョと対面した経験が買われ、千歳と業平が出動。八広は舞恵の前に出て、彼女をかばうようにしているが、ちょっと腰が引けている。その後ろでさらにビビッているのは、先刻まで威勢の良かった冬木である。現場を知ることで、人は謙虚になっていく。これで少しは言うことを聞くようになるだろうか。
 増水で流れ着いたらしい、長めの枝を一つずつ手に取る。二人で魚の頭と尾の方に枝を添え、「せーの」で押し出す。川に還して差し上げよう、ということなのだが、
 「身が崩れそうだ」
 「ここから先はR25指定かな」
 舞恵は規制年齢ではなかったが、八広ともども背を向けている。八広以下、五人の男女は目を伏せる。冬木はビクビクやりながらも「これも取材のため」と薄目で様子を見守る。
 かくして、六月の回の四人がこのハクレンの川送りに立ち会うこととなった。枝で静かに押し出したつもりだったが、思いがけず腐敗が進んでいて、身も骨もバラバラになってしまい、跡形なし。ただ、蛋白源として重宝されただけのことはあって、その肉の厚みは目を見張るものがあった。

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